サクマ式ドロップ

火垂るの墓」菜々子で初ドラマ

 女優の松嶋菜々子(31)がスタジオジブリのアニメで知られる「火垂るの墓」(原作・野坂昭如)の実写版スペシャルドラマに主演することが4日、分かった。日テレ系で秋放送される。「火垂る―」は太平洋戦争末期の神戸を舞台に、親も家も失った兄妹が自分たちの力だけで生き抜こうとする姿を描くもの。松嶋はアニメにも登場する親せきのおばさん役で、極限状態のなか、自身の子供を守るため、兄妹を捨てざるを得なかった苦悩の女性を演じる。

 あの名作が今秋、初めてドラマになる。同作は高畑勲監督のアニメ映画(88年)として知られている野坂さんの短編小説(新潮文庫)。日テレでは戦後60周年を記念し、実写ドラマにしたいと企画。松嶋が主演したNHK朝の連続テレビ小説「ひまわり」の井上由美子さんに脚本を依頼した。

 「火垂る―」は1945年夏の終戦間際、空襲で親、家を失った14歳の清太と4歳の節子が身を寄せた親せきの家を出て、防空壕(ごう)で暮らすことを決めるが、過酷な生活の中、悲劇を迎えるストーリー。

 松嶋が演じる女性は原作では「未亡人」という役柄で登場。アニメでは兄妹を引き取るも、最後は家から追い出すことになる女性として描かれている。スペシャルドラマでは兄妹を預かった親せきの女性の心の葛藤(かっとう)にもスポットを当て、戦争の悲惨さをより浮き彫りにしていく。

 村瀬健プロデューサー(31)は「彼女は兄妹を笑顔で預かり、面倒をみるが、戦争が激化し、我が子を守るために他人の子供を見殺しにしなければならなかった。本来ならひまわりのように明るく、美しく優しい女性が戦争という極限の状態の中で悪魔と化していく姿を描きたい。この女性にはひまわりのような明るさを持った松嶋さん以外考えられなかった」と話している。

 10代のころにアニメを見たという松嶋は「兄妹2人の会話が胸に迫るものがあり、最後まで音をつけていることができず、映像だけで見ました。それでも十分、戦争の悲惨さは伝わって、二度と見られない映画と思っていました」とショックを受けていた。

 俳優の反町隆史(31)と結婚し、1児のママになった今は、小さい子供の悲劇はひとごとには感じられないよう。「子供は状況とか関係なく100%守ってあげなければいけない存在。自分の子供と他人の子供は同じ命。比べてはいけないものなのに、戦争によって、どちらかを選んでしまうという悲劇を見ていただきたい」と話している。
(スポーツ報知) - 8月5日9時30分更新

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