「内部留保」出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

内部留保(ないぶりゅうほ)とは、株式会社等の営利法人が経済活動によって得た利益を出資者への配当や、税金として支払った後に残った剰余金を蓄積した資金を指す。これは、資金の使途を示す借方に、現金・預金や有価証券、建物、機械などの勘定で使用用途が表されている。

一般に、貸借対照表上では、資産の調達方法を示す貸方の利益剰余金勘定を指す。 これは、株式発行や債券発行、借金などの調達方法と違い、配当金や返済などの義務を負わない為、「余裕資金」と呼ばれる事もある。その為、借金経営が批判され、金融機関の貸し渋り貸しはがしが起きた90年代以降、この「内部留保」が多い企業ほど「優良企業」と認識されている。

企業によっては、業績に比例した被雇用者への給与・賞与や設備投資・維持運営に必要な経費など、利益の額に対して支出がそれほど困難でない程度の適切な費用を削ってまで内部留保を確保したり、出資者に対する配当に回すべき利益まで内部留保としたりすることで過度に「余裕資金」を蓄積している企業もある。(例えば、マイクロソフト社は2003年まで創業以来配当を行っていない。[1]) 昨今では投機目的の一部の株主等がこれを「余剰資金」として、株主配当にまわすよう経営陣に求めるケースも増えている。